1本のどんぐりの木。
春に芽吹いた葉を食べる虫の幼虫たち。
樹液を吸う蝶やカブトムシ。
幼虫や虫たちを食べに飛んでくる鳥たち。
秋に実ったどんぐりを心待ちにしている動物たち。
そして人間も…。
木はシイタケの栽培に、落ち葉は腐葉土に。
いろいろな虫、動物、鳥、人間に「ごちそう」を提供するどんぐりの木。
しかし、与えるだけではありません。
ネズミがこっそり倒木の陰に隠して忘れてしまった
どんぐりの実から、新しいどんぐりの芽が出てきます。
動物たちからも、ちゃんと「お返し」があるのです。
似たようなテーマを扱った、
こうやすすむ「どんぐりかいぎ」と比べると、漢字も多く、
少し年長の子向けかもしれませんが、
読み聞かせれば、未就学の娘でも十分理解できました。
作者は植物生態学を専攻していたということで、
どんぐりに関するさまざまな知識がふんだんに盛り込まれています。