【内容】
北から南へ、日本全国47都道府県の、地元の人の声も交えて紹介する。各県1つのおかずをとりあげ、写真と簡潔な文章で紹介。ごはん(主食)が進むおかず、保存食のおかず、その土地ならではの産物をつかったおかず、歴史的背景のあるおかず…代々人々に伝わってきたおかずを知ると、地域や歴史、県民性なども垣間見える。
著:白央篤司
【感想】
都道府県別になっていれば、真っ先に自分の出身地を見る。私の出身地、栃木県は、「かんぴょうの玉子とじ」だ。納得。今では珍しいかもしれないが、昭和生まれの私の実家は農家で、畑でかんぴょうを作っていた。あれは、おおきな夕顔という瓜の一種で(スイカくらい大きい)、それを皮むき器を使って、ひゅるひゅるむいて、細長い伸び切ったゴム紐みたいなやつを、陰干し(物干しざおにぶら下げて、まるで洗濯物みたいだった)していた。自家製&自家消費用だったので、漂白剤などは使わない。時間が経つとだんだん黄色→茶色に変色していく。しかし、それがなんだというのだ!全く気にせず、水でもどして食べていた。黄ばんでいるような色合いが、通常の事だったので、市販の真っ白いかんぴょうを見た時は違和感を感じだ。だいたい、醤油と砂糖などで煮込んだら、茶色くなるというのに、どうしてわざわざ白くしなければならないのだろうか?
女もかんぴょうも、色が白いのは七難隠す、ということか!?(←これ、セクハラ発言かな?)
…以下、くどいので省略するが、地元の食べ物については、あれこれ言いたいことが山ほどある。この絵本を見ていて、全国の皆様も、きっといろんな意味でお楽しみただけるのではないかと期待している。
もっとも、今では「地元の味」「故郷」というのが「ない」人たちも、いろんな事情でたくさんいらっしゃると思う。故郷の思い出を楽しく語れるのは、幸せなのだと思った。