「昔話法廷」 みんなの声

童話、昔話に登場する人物の罪を考える、ちょっとした頭の体操的な読み物です。
カチカチ山のうさぎ、白雪姫の王妃が被告席に立つのは理解できるのですが、三匹のこぶたの３番目のこぶたに殺意があったかなんて、想像したこともなかったので、視点の違いを楽しみました。
白雪姫については予想外の展開にエスカレートして、物語そのものの内容にまで踏み込んでしまいました。
その法廷も、判決までは書いていないので、その判断を予測しながら読み終えました。
少し意地悪なエンターテインメントですが、一面的思考で硬直化した人には、ちょっとした効果がありそうです。

Eテレの番組は知らなかったのですが、図書館で見つけて、面白そう！と手に取りました。
昔話の登場人物を、今の法律で裁くというもの。
判決が出るのではなく、考えさせるような内容でした。
オオカミを殺した「さんびきのこぶた」の末っ子子豚。
おばあさんを殺したタヌキに仕返しをした「カチカチ山」のうさぎ。
美しい姫に嫉妬した「白雪姫」の王妃。
それぞれが有罪か、無罪かを問います。
知っている昔話を、いろんな立場や方向から見ようとするところが面白かったです。

裁判員制度ができ、
いつ裁判員に選ばれるかわからない時代ですが、
裁判ってどんな風に行われているのかな、
を知るのにとても適した本だと思いました。
小学校高学年なら問題なく読めます。

昔話を題材にして、
オオカミを殺した三匹のこぶたの三男は、殺人罪で有罪か、
もしくは、正当防衛が成立するのかを、考えます。
裁判所での裁判シーン、裁判員での話し合いと2場面が描かれています。

気になるのは、
オオカミの家のカレンダーに、「〇日〇時、豚肉パーティ」とメモがあったという件。
これがあったせいで、三男は計画的犯行を疑われます。
これは実際のお話にはないと思うのですが、
こういったことが多々あり、
全体的に物語を脚色して話を盛り上げるのはどうかなとは思う。
裁判員での結論も出ず、
裁判長の判決も出ず。
その前段階までで物語はおしまいで、読み手に考えさせる作り。
なんというか、ちゃんと結論までほしい。
素人には判断が難しいところだからこそ、
結論がほしかった。
1巻には、カチカチ山のうさぎと白雪姫の王妃の裁判も掲載です。
息子が高学年になったら読ませます。

おなじみの昔話を裁判で裁くといった内容で興味を持ち読みました。
オオカミを殺してしまった「三匹のこぶた」の末っ子、たぬきを殺そうとした「カチカチ山」のうさぎ、白雪姫を殺そうとした「白雪姫」のお妃。
いろいろな見方ができるのだなー、いったいどうなるのだろう？と思いながら読みましたが、そこは考えてみましょうってところですかね。
うーん、人を裁くって改めて難しいと思いました。