どこからかやって来たライオン。
図書館の中でのびのびと過ごし、
読み聞かせがすっかりお気に入りに。
館長さんはライオンに対して、
「決まりさえ守ればライオンでも良い」と言っていて、
図書館に来る人達も、
ライオンがいることがいつの間にか普通になり、
すっかりマスコット的な存在になっているなぁとほのぼのしてしまいます。
誰かの役に立つのが好きで、
お話を聞くのが好きで、
館長さんのことが好きなライオン。
いつも図書館に来たいから、
館長さんのためにお手伝いを沢山して、
図書館の決まりをしっかりと守っています。
それがとってもいじらしくて、可愛い。
「きまり」についてはいつもうるさい館長さんですが、
最後の方では「たまにはちゃんとした訳があって、きまりが守れないこともあるんです」とも言っています。
ライオンは館長さんの言う「きまり」をしっかり守り、
でも館長さんのために敢えて「きまり」を破ることで、
館長さんを助けようとしています。
その様子が、読んでいる子供達に、
決まりの大切さと、
時には柔軟な姿勢も必要なのだということに気付くきっかけになっているように思います。
全体的にとても優しい空気に包まれているお話で、
友達の絆や決まりに対して考えるきっかけをもくれる、
なかなかに奥深い本だと思いました。