1985年のイギリスの作品です。
訳を見城美枝子さんが担当しています。
船乗りのパパと留守家族の様子を描いた絵本です。
物語は、主人公の女の子のソフィーがパパに宛てて書いた手紙の文章にそって進行していきます。
パパは、世界各地に積荷を降ろす船に乗船しているようです。
絵は、上段にパパの海の世界、下段には、ソフィーの日常生活が描かれていますが、その対比が秀逸。
違った場所、季節を生きているのですが、ソフィーが綴る手紙には、パパを思う気持ちに溢れています。
「海は荒れていませんか?」という手紙で、パパがシケの荒海を航海していたり、「真っ青の絵ハガキ、どうもありがとう」という手紙で、パパは、避暑地に居たりして、見るだけで楽しい絵です。
夏秋冬春と1年が過ぎ、また夏が来たころ、パパが戻ってきます。
待ちに待った再開で、ソフィーは、パパに抱きつくのですが、その時、全体の絵が再開のシーンで一杯になっていて、その暖かさに心打たれました。
絵が少しマンガチックではありますが、明るい絵で見やすい作品です。
手紙形式という文体も理解し易いので、年少位から楽しめる作品としてオススメします。