息子がちょうど1歳を過ぎた春、こどものとも012が創刊されました。何ていいタイミングなんでしょう! わたしたちのために贈られた月刊誌みたい、と感激して購読開始。7月号のこの作品が、傘好きの息子の心を見事にとらえ、毎晩毎晩この絵本を開きました。
ぞうさん、きりんさん、ありさん、くまさんの背中に当たる雨の音は、みな違います。「ピッチャン、パッチャン」「ピロリン、ポロリン」「ピピ ポポ、ピピ ポポ」「シッポ、シャッポ」…。雨にぬれる動物たちに、大きさや特徴の違う傘をやさしく差し出す男の子は、「かさ さしてあげるね」と一言。雨、傘、動物たち…どれも、まだ生を与えられて1年たらずの息子を魅了するには十分過ぎる対象でした。リズムが楽しいので詩はすぐに覚え、雨が降るとこの詩を唱えたのは言うまでもありません。(ここは雨の多い土地なので、これまたぴったり…)
イラストはにしまきかやこさんのクレヨン画。ありさんのサイズがちょっと大きすぎて猫のようですが、詩の世界が見事なのであまり気になりませんでした。今でもイラストのかさを差し出す男の子を見ると、幼い日々の息子の姿を思い出します。