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安房直子さん特有の、弱者に対する優しい目と、美しい色彩に溢れた絵本です。 登場人物もわずかですし、場面もほとんど変わらないのですが、静かな物語が確実に進んでいきます。 その静けさが、お話の内容に、優しさと温かさを運んでくるような気がします。 捨てられるしかない小さい生き物達が、この世界ではないどこかで、幸せに暮らしているであろうという作者と読者の願いがこもったお話です。
投稿日:2007/06/26
お母さんの言いつけで野原に子猫を捨てに来た女の子は、どうしても子猫を捨てることができませんでした。 周りが暗くなっても、捨てられずに泣いていた女の子。 その彼女の足元が、ぴかっと光りました。 それは、たんぽぽの明かり。 犬や猫がこの野原に捨てられた日にだけ光る、優しいたんぽぽの明かりでした。 この絵本は、ペットを捨てたことで傷ついてしまった子どもたちのために書かれた絵本でしょうか? 捨てた後、子どもたちは、たくさん泣いたのかもしれません。 なかなか立ち直れなかったのかもしれません。 中には、トラウマを抱えてしまった子どももいたのかもしれません。 そういう視点で考えると、この絵本のラストは、傷ついてしまった子どもたちの慰めになるかもしれないと思いました。
投稿日:2022/04/20
えっ!? 安房さんの作品!見っけ! 知らなかった・・・ 裏には 第32回青少年読書感想文コンクール課題図書 全国学校図書館協議会選定図書 メジャーな作品だったのでしょうか 幼い頃、ねこを拾ったり 拾っておかあさんに返してきなさいって 言われたり 自分では、どうしようもなくって・・・ という経験は 私の年代では、多かったように思います まさしく そのシーンから始まります でも周囲がメルヘンな世界 絵のせいかもしれませんが 現実とはかけ離れていて ファンタジーの世界へ こどもの想像の世界に直結な感じです でも・・・ 現実派のおばさんな私は どうしても小さな命が 都合よく さようなら〜 するみたいに感じてしまいました たんぽぽの素敵な表現は さすが!ですが 安房さん作品にしては ちょっと物足りなさを感じてしまいました
投稿日:2014/04/02
安房直子さんのファンタジーだったので読んでみました。 日が暮れた、春の野原に立っていた女の子は、 ママから捨ててきなさいと言われたこねこを抱えて途方に暮れていたのです。 女の子が思わず助けを求めた時、野原のタンポポが光りだしたのです。 そして、タンポポの指南の通り、こねこは、光の国行きの電車に乗っていくのです。 幻想的ですが、なかなか重いテーマを持っています。 このあたりが理解できるのは、小学生以上くらいからでしょうか。 捨てられたいぬたちやねこたち、本当に幸せだったのでしょうか? 切ない読後感でした。
投稿日:2014/03/14
お母さんに「捨ててきなさい!」と言われ、連れてきた春の野原。 エプロンの中には小さな子猫が。 なかなか離れられずにいると・・・ これから捨てられるだろう子猫は一体どうなるんだろう。 不思議な光に妙な気持ちになりながら読み進めましたが、そこにはあまり安心という気持ちは湧かず・・・ 電車に乗り込んでいった子猫の運命が気になって仕方ないです。 ひかりのくにってどんな所?いい所?悪い所? 想像がつかずモヤモヤが残りました。
投稿日:2012/03/19
3歳10ヶ月の息子に読んでやりました。たんぽぽが好きなので、読んでやりましたが、ちょっと物悲しいお話ですよ。 子猫を捨ててきなさいといわれ、くさっぱらにやってきた女の子のお話。まだ暖かいし、小さいし、くさっぱらに捨ててしまうと死んでしまうのではないかと心配していると、くさっぱらにたんぽぽが咲き出します。そして、まだこねこなのでミルクが必要ね、とあるたんぽぽの茎を折るとミルクがでてきます。そのミルクを飲み干すと、向こうから電車がやってきて、犬や猫がいっぱい。捨てられた猫や犬たちがみんな乗っているとか。女の子の子猫もその電車に乗せられ、ひかりのくにへと旅立ったのでした。 3歳の息子にはよく分からなかったみたいですが、なんとなく悲しい話だな・・・もしかしたら死んでしまったのかもしれないな、と思いましたね。そのあたりはぼやかしてあるのではっきりわかりませんが、捨ててきなさいという時点で危ないな・・・とは思いました。子供に死のことを教えるための絵本かもしれません。うちはまだ早いような気がしたので、あまりじっくりと読んでやることはしませんでした。
投稿日:2011/07/09
安房直子さんの お話です。 タイトル 「やさしいたんぽぽ」に惹かれて読みましたが・・・・ 春の 夕暮れの野原はとてももの悲しいのです 女の子は 子猫を捨ててくるようにお母さんからいわれて、かわいそうでどうしても捨てられない思いが 痛いほど伝わります そんな 野原にたんぽぽが 一面に咲いていて子猫にたんぽぽのミルクを飲ませてくれるのです そうですね たんぽぽの茎から 白いミルクが出てくるのを思い出しました 子猫がたんぽぽの ミルクを飲んでいる絵が なんとも言えず 本来なら嬉しいのに この絵は 何とも淋しげなのです・・・・ 電車の中には 捨てられた犬やネコがたくさん 乗っています。 「ひかりのくにゆき」 この汽車は いったい 子猫や犬を何処へ連れて行くのでしょうね? ひかりのくには 天国のように優しい国なのでしょうかね? 淋しい悲しいお話でした・・・ 安房さんは 何を読者に伝えたかったのでしょうかね? 人間は 動物を大事に飼ってあげてほしいと思いました 家族の一員として買っている人もたくさんいるので、大事にしてくれるのを祈ります!
投稿日:2011/02/01
とても切ないです。 捨てられたであろういぬやねこが乗った電車は、 きっと、素敵な場所へ連れて行ってくれるに違いない。 それはそれで、とても嬉しいこと。 でも、それでいいの? そこへ行くしか幸せはないの? あまりにも自分勝手な人間に(ここでは登場しませんが・・・) 腹が立つ。 ただ、たんぽぽの優しさが唯一の慰め。 今は、行ってしまった電車の動物達の幸せを祈るしかありません。
投稿日:2009/03/10
「ねむっているうちに」こねこを捨ててしておいでと言われた女の子。これだけでも、少女の気持ちを思うと切なくなってしまいます。 春の野原でおこる幻想的な出来事。幻想的な絵が作品の世界を引き立てています。 小さな動物や捨てられてしまう物たちに寄せる作者の温かい眼差しが感じられて、こんな風な素敵なことが起こればどんなにいいかなと思いました。 人間だけでなく動物たちも幸せにと願ってしまう作品です。
投稿日:2009/02/22
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