表紙から今までの絵本に感じたことのない不思議な雰囲気を漂っているように感じて、読むとその通り、忘れることのできないお話しでした。
日常どこにでも起きていそうな“牛乳をこぼしてしまった”ことが、こんな大変なことになってしまうの!?という大げさなコントのようでもあり、シュールな異次元空間に迷い込んでしまったかのようなお話し。
はじめは大したことがではなかったのに、あれよあれよと手がつけられない結果につながってしまい、当事者のよしおくんがドキッとすると同時に、こちらもはたして収集がつくものだろかと不安になります。一応解決のめどがついたかなというところで“おしまい”という展開は、「えっ?!」「やられた!」「なんだったの?」と人によって様々な感想が出るだろうなと思いました。まるで70年代の映画や典型的な日本の昔話を連想するような、読み手に続きを想像させる終わり方ですね。
息子にとってもやはりインパクトが強かったようで、「これはパパが〜〜したお話し」なんて言うと、これからとんでもないものが襲ってきそうな期待と不安に襲われて「どうする?」「こうする!」というやりとりが生まれて面白いです。