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チロヌップのきつね」 みんなの声

チロヌップのきつね 文・絵:たかはし ひろゆき
出版社:金の星社 金の星社の特集ページがあります!
税込価格:\1,320
発行日:1972年
ISBN:9784323002316
評価スコア 4.67
評価ランキング 2,273
みんなの声 総数 41
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41件見つかりました

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  • 戦争というよりは共存がテーマ

    戦争の絵本として紹介されることもありますが、テーマとしては”共存”の方が強く感じる絵本です。
    人間と人間、人間と動物
    立場によっては、争ったり、寄り添ったり…
    そのことを、丁寧に描かれているので、文学作品として心にしみてきました。
    絵も美しいです。

    高学年以上向けとは思いますが、子どもたちには、この作品に出会っていろんなことを感じてほしいと思います。

    投稿日:2017/10/13

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  • 小学校低学年の頃に読みました

    • ももうさ♪さん
    • 20代
    • ママ
    • 北海道
    • 女の子2歳、女の子0歳

    読んだのは20年ちょっと前ですが、
    おじいさん達が見つけた、花の中のちびこの赤いリボンの鮮やかさを覚えています。
    それと一緒のワナも・・・。

    少し前に戦争とは何かを論じる番組を見ましたが、
    その中で、国連での武装解除活動に従事した方が、
    「武器があるから戦争が起こるのではない。どんな物でも“武器”として人を殺す事ができる。それを使うのは人間だ」
    「性善説・性悪説というよりも、人は熱狂する。それは本質的なものだ」
    と話されていた事が非常に印象深かったです。
    目から鱗が落ちたと共に、深く同意しました。

    どうして戦争は起こるのか。
    人は“洗脳されてしまう”。そして“熱狂する”。
    平和は大事だよ!ということだけではなく、
    本質的に人間は弱く、良いことだけでなく悪いことにさえも熱狂してしまう。本質が見えなくなってしまう。
    そのことを、少しずつ子ども達に伝えていきたいと、改めて思いました。

    投稿日:2011/01/26

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  • 先日 おはなし会の語りできいたお話しです
    悲しいお話しに 涙しました
    前から知っていた チロヌップのきつねの本を読み返しました

    北海道の千島のウルップ島には たくさんの狐が住んでいたと作者が前書きで書いてくださっています
    このお話は作者が見た きつねざくら  春に 子ギツネの白骨死体を見てこのお話を創作されたのが分かりました
    きつねの親子の中むつまじい情景に 心和みます
    この島にやって来た じいさんと ばあさんとであった ちびこきつねの深い愛情にホロリとさせられました

    そして 人間の戦争の時代 鉄砲をかかえた人間が きつねを撃ち殺したこと  罠にかかったちびこを守ろうとする母きつねの愛の深さに、涙します

    自然の厳しさの中で生きるきつねたちの姿   
    共存して生きるじいさん ばあさんたちの優しさ  
    そうではない人間もまたいるのです 事実なのです
    戦争が終わり きつねたちを 罠で捕まえる人間(様々な人間がいること)
    このお話しはとてもじーんとくる 悲しいお話しでした
    子ども達にも伝えたいお話しです   
    いろんなことを教えられました
    きつねざくら  どんな花がさくのか みてみたいな〜と思いました 

    投稿日:2016/04/24

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  • 戦争の爪あと

    北国の島(北方領土あたりのどこかでしょうか)に住む狐と
    老夫婦のふれあいが胸に迫る本作は
    北国の情景が美しく描かれ
    子ぎつねの愛らしさにも癒される。
    だが
    この本の肝はきっと、
    はっきりとした描写はないままに
    戦争の残酷さを描ききっているところだと思う。
    なんだかすごい・・・すごい本だと思う。

    投稿日:2014/05/08

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  • 悲しくて泣けてきます

    内容を詳しく知らずに読み聞かせ、途中で悲しくて泣けてきました。

    娘はまだ戦争など、言葉も知らない位ですが、
    親子の絆としての絵本としてなら内容を理解できると思います。

    最初に兄キツネが死に、家族を守るために親キツネが死に、最後には子きつねも死んでしまいます。

    いつもは絵本を読みながら、なんだかんだ言葉をはさみうるさい娘ですが、この絵本は静かに聞き入っていました。

    投稿日:2013/08/17

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  • 淡くて底深い物語

    戦争中の千島列島の無人島が舞台となっています。

    その中でキツネの親子の物語としてみれば、家族愛の話なのでしょう。
    子どもを守ろうとして銃に向かっていく父親ギツネ。
    罠にかかって動けないちびこギツネに餌を運び続ける、自らも傷を負った母ギツネ。
    何年かのちに、島を訪れた老夫婦の見たものは息絶えたキツネの後に咲くキツネザクラ。
    そして、2匹の姿はない。
    とても思いのある家族愛の物語です。

    中心にいるのはキツネですが、もう一つの主人公はこの島を訪れて漁を続ける老夫婦。
    一年の決まった時期に島に滞在してさかなや海藻を収穫して、冬になると本島に戻っていく暮らしをしているのです。
    二人にとって大事な生活の場ですが、戦争のために行くことができなくなってしまった場所。
    小さな島でありながら戦場であったのです。
    島にある娘地蔵が、過去に住んでいた人の生活の名残りとさびれてしまった島を象徴しています。
    戦争のために行くことのできない島というのは二人にとってどんな場所だったのでしょうか。
    現在は日本人の立ち入ることのできる場所なのでしょうか。

    そして、背景にあるのは戦争です。
    このお話の中では、背景に徹しているのですが、とても重く感じました。
    老夫婦がいるときに姿を現したのは日本軍でしょうが、戦争のさなかにこの島に入ったのは日本軍だけではなくソ連軍もいたのでは。

    この絵本の舞台は北方領土地域でしょうか?
    島に残るお地蔵さんだけが知っているのでしょうか。
    複雑な思いで読み終えました。

    投稿日:2011/02/12

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  •  私も10代に読みました。
     感受性豊かな頃ですので、衝撃的な作品でした。
     そののち、この作品がマスコミに取り上げられ、メジャーなところへと一人歩きしてから数十年の月日が流れました。

     息子にもそろそろ勧めてみようかと、図書館から借りてきました。
     
     小さな島で、小さな生き物が誰にも迷惑をかけず、静かに命の営みを繰り返しているところへ、傲慢な人間が土足で踏み込み、ささやかなキツネの家族の幸せを壊してしまうお話です。

     この世にあるものは、すべて人間だけがその恵みを享受するために造られているのではないこと。
     ほかの動植物との共存を、知恵あるものとして考え、より良き道を探っていくべき使命を与えられていることを強く自覚しなければならないこと。
     さもなくば、恐ろしいしっぺ返しをわれわれは受けることになるのだと、今読んでも強く感じます。

     戦争を背景に描かれていますが、熊や猪が山里に下りてこなければ、食べ物を得られないニュースを聞く昨今、自分たちで蒔いた種である「地球温暖化」に頭を抱える我々にも耳痛い作品だと思います。

     どこへも向けようのない怒り!
     という、カバー折り返しの作者のメッセージ文もご一読ください。
     
     何も変わっていないどころか、むしろ悪化してる現状。
     作者に恥ずかしい思いがこみ上げてきました。

    投稿日:2010/11/03

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  • 切なくて

    平和に親子4匹で暮らしていたのにと思うと可哀そうで、親子の情愛

    に涙してしまいます。

    親狐が子供を思う気持ちに切なくて泣けてきます。

    せめて親子4匹で暮らせる日があってよかったと思いました。

    おとうさん狐も家族を守る為に、わざと人間の匂いのする方に飛び込ん

    で行ったし、人間より潔く家族を守ると思いました。

    かあさん狐に抱かれてちびこがほかほかと暖まり眠くなっていったのが

    せめての慰めでした。かあさん狐の愛情いっぱいに抱かれて眠っていけ

    たのが切ないけれど温かい思いやりで幸せだったと思いたいです。

    涙が止まらない、悲しくて切なくてやりきれない思いでいっぱいな絵本

    ですが、孫にも読み聞かせたい絵本です。

    投稿日:2010/07/02

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  • 悲しいです・・・

    タイトルは知っていましたが

    どんなお話かは全く知りませんでした。

    絵本をめくった表紙の裏に

    作者の言葉が書いてありました。

    どこへも向けようのない怒り!として

    長文でこのお話を作った経緯がかかれていました。

    チロヌップとはアイヌ語できつねの意味だそうです。

    作中では島の名前として使われています。

    この島にいるきつね一家と初老、

    またきつねと戦争のお話ともいえます。

    この島に来た初老は

    魚をとったり、海苔をとったりします。

    島にあるむすめ地蔵の横に小さなきつねが1匹。

    赤いリボンをつけてあげて、一緒に過ごします。

    一旦帰った初老は小さなきつねを放してやりました。

    その後です。

    戦争のせいできつねの親子は殺されてしまいます。

    それが釈然としません。

    生き物をわざわざ殺す必要はあったんでしょうか。

    お父さんきつねはみんなのおとりになり死に

    お母さんは足に傷を負い、

    小さいきつねはワナに足を挟まれました。

    もうワナは外せないので

    お母さんは食糧を運んだりしました。

    降り積もる雪が残酷で

    お母さんきつねと小さなきつねは

    寄り添ってそのまま死んでしまいました。

    春になってあの夫婦がまたきましたが、

    戦争が終わるまで島にはきてませんでした。

    あれから何年も経っているので

    かなり老けていました。

    きつねざくらという花がたくさん咲いています。

    あの親子がいた場所を囲むように咲いています。

    一つだけ赤いリボンのように赤く咲いています。

    ただただ悲しいお話です。

    投稿日:2023/03/13

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  • 美しいイラスト

    図書館の「平和を考える」というテーマの特別コーナーで見つけました。戦争のことを直接描くのではなく、きつねの親子を通して、人間の愚かさに気づかされます。
    悲しいお話ですが、美しいイラストで描かれる親子愛には感動します。大人におすすめかなと思いました。

    投稿日:2022/04/23

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