「宇宙を見せに連れていってあげよう」
ある日の夕方、ぼくはパパに誘われて出かけました。
パパと手をつなぎ夕方の街を歩きます。
「宇宙っていったいなんなの?」というぼくの質問に
「この世界全部さ」と答えるパパ。
お店でガムを買ってもらい、着いたところは、来たことのあるフツーの原っぱ。
ぼくは、足元のかたつむりやアザミに気がつきます。
そしてパパにうながされ空を見上げると瞬く星。
星座を説明されてもよくわからなかったけれど、
パパの声を聞きながらながめた空は確かに宇宙だった。
簡単に言ってしまえば、パパと星空を見に行ったというお話です。
作者のウルフの思い出かな?
でも、パパと一緒に眺めた星空はそれだけで大きな意味を
持っていたのではないかと思いました。
「小さく見えるものでも、大きな意味をもっている」
パパの言葉はそのときは何気なく聞いていたものでも
大きくなってから、心のどこかに残っているのでしょう。
派手さはないけど、やさしい時間を過ごした記憶を
子供にも持たせてあげたいなと思います。
最後にちょっぴり面白いオチがあってメリハリがついています。
やさしい暖かみのある色鉛筆画がとても素敵な作品です。