毎日赤羽さんの絵本を読み、作品を読む前読んだ後にこの本を読み返しています。
わかったことは、赤羽さんが『つるにょうぼう』では二種類の和紙を使い、『そばがらじさまとまめじさま』では八種類の和紙を使っていたことでした。
赤羽さんの絵本を初期から見直してみると、初期の頃は色をたくさん使った絵が多く、
源平絵巻物語や『つるにょうぼう』を経たあたりから、茶色のペースの昔話絵本が多くなってきたことがわかりました。
また、赤羽さん果敢なる挑戦者というのか、一作一作で、新しい紙や筆記用具などにもこだわり、独自の世界を追求していらしたんだなあと。
そういう作品の背景を知れば知るほど、赤羽さんの作品を見る前がまた今まで以上に違ってくるのを感じました。
赤羽さん古典や文学、お芝居にも造詣が深かったらしく、日本画の手法だけでなく、
『そら、にげろ』ではアニメーションの手法も取り入れられていたということ、
知れば知るほどすごい赤羽さんの世界を堪能するのに、必読な一冊ではないでしょうか。
国際アンデルセン賞画家受賞四季挨拶では「私は子どもの絵本は量産される、きわめて大衆的なものだと思います。
しかし、大衆的だからといって卑俗なものにしてはならないと思います」
とご自身の絵本観を語っておられます。
赤羽さんの作品は、優れた文化遺産のようなものだと思います。
大切に子どもたちに伝えていきたいと思いました。