牧場で草を食べていた牛が、おいしい草をみんなにも分けてあげたいと思い、パーティを開きます。やってきたのは農場のうま、やぎ、ぶたとひつじの子、いぬとねこ、がちょうとめんどり、おんどりです。みんなで楽しく牧場で過ごしたけれど、中にはごちそうとして出された草が嫌いな動物もいました……。
春らしい絵本を探していて、色合いからもこれは、と思った一冊。背景のやわらかいピンク色、きんぽうげの黄色、のどかな春の牧場、これだけで心地よくなってきます。動物たちが輪になって「ひらいた、ひらいた」の歌を歌うところがかわいい。娘もここは特に喜んでいました。
読後、わたしは自分の人間関係について考えてしまいました。人生、うまの合う人ばかりとは限りません。うしさんのおおらかな性格は、そのあたりをホンワカ諭してくれるかのよう。ちょっぴり意地悪なカケスの存在がひっかかったのですが、考えてみればこういう人も世の中にはいます。それもあり。最後のカケスの言葉「みわたすかぎりのくさはらで、みんながくさを たべるなら、けんかなんかおこらない……」が心に残ります。つまり、自分のことをしっかりやっていれば、問題は何も起こらない、ってことかな。