「リンカーンとダグラス」 みんなの声

奴隷という制度はもうありません。
しかし、黒人問題がとても根深いものだということを、この夏大坂なおみはテニスとマスクで訴えました。
この絵本は、黒人問題を考えるほんの一ページに過ぎません。
でも、この絵本からリンカーンが何をしたか、何をされたか、そして、歴代大統領が黒人問題とどの様に取り組む姿勢を見せてきたか考えるきっかけになれば良いと思います。
絵は、とてもドライで冷静に、歴史の１シーンを描いています。

ダグラスは、自分が黒人である事を卑下する事なく、嫌味ではない気の利いた返しをす事が出来る人なんだなと感じました。人は皆平等であると言う事をわかっていなくてもファーストレディにはなれるんですね。リンカーンは実に聡明な人間です。

息子が学童クラブで読んだというこの一冊、
是非シェアしようと思い、図書館から借りてきて
息子と一緒に読んでもらいました。

リンカーンは白人ですが、
ダグラスという黒人の古い友人がいたことは
全然知りませんでした。

そして、大統領再選のパーティにダグラスを招いたリンカーン。

ダグラスとリンカーンの熱い友情に、
読んでいるこちらも、胸が熱くなります。

ただ一つ残念だったのは、
リンカーンの奥さん。
「黒人をパーティに招くのはまずいのではないか」という
発言をします。

リンカーンの奥さんともあろう人物がこんなことを！
リンカーンはなんでこんな人と結婚しちゃったんだろうね・・・
と息子と二人で話しました。

リンカーンとダグラスが少年時代に文字を学び聖書を読む場面がありますが、後に出会う二人の勤勉である共通点をとても好ましく読みました。

リンカーンが「社会がかかえる問題に気づ」く場面が印象的です。バックの木のところに人の顔が描かれているからです。

絵本なので分量はそれほどありませんが、リンカーンとダグラスのそれぞれの動き、また奴隷解放を支えた人たちの動きがわかりやすい形で凝縮されて、胸にせまってきます。

巻末に二人の略歴があるのも嬉しい配慮で、時系列で二人の動きがわかります。

人種・立場を越えての友情があったことを私は初めて知りました。