4歳の息子と読みました。
直感的な絵本。
夜なのに鮮やかな色彩でダイナミックに描かれた、電信柱が羅列されたイラストは、
迫力があり印象的。
恭一の黒目の描写がちょっと不気味で、物語の雰囲気がよく表れています。
リアルすぎない描き方が読み手へ余白を残します。
宮沢賢治の「ドッテテ〜」などの言葉のリズム、不思議で独特でちょっと怖いストーリーと、
絵がとてもよくマッチしています。
読み手の想像力がかきたてられ、頭の中にその迫力のある光景が再現され、音まで聞こえてくるよう。
昔の言葉が多く、息子には内容が難しいかなと思ったのですが、
そんな心配は杞憂でした。
「わからない言葉があっても、ママに説明してもらうから大丈夫」と言って、息子は集中して聞き入って絵に見入っていました。
身体でいろいろ感じていたようです。
「ちょっと怖かったけれど…すごかった」と言っていました。
電信柱の表情もおもしろかったようです。
電気のないころにも話が広がり、彼にとって当たり前のものがなかった時代を考えることもできました。
彼の興味は図鑑的な絵本に多いですが、
実物をリアルに描いたものだけでなく、
このような身体で感じる絵本も読んで、相続力を膨らませ、感受性豊かに育って行ってほしいと感じました。