「いなづま」で運の強さと宿命を感じさせたがくしゃヌーのその後のお話です。
恵みの雨の後で蘇生する大自然。
がくしゃヌーは再び仲間たちと合流し、リーダーとなります。
お腹にあかちゃんのいる母親ヌー。チータに襲われて死にかけたときにはがくしゃヌーが立ち向かいます。経験を通して強さを身につけていたのです。
これが単独行動のチータでなければ無理だっただろうと後書きに書いてありました。
野生の国での運命だと思います。
助けられた母親ヌーからやがて生まれてくる新しい命。
シリーズの中で象徴的な絵本です。
これまで読んできた吉田さんのアフリカシリーズの断片とつながるところがあります。
そして、シリーズの中で一番図鑑的な絵本です。
いままでに登場しなかったかえるのような大自然の生き物、植物、小鳥たちと様々なものがちりばめられています。
ただ、吉田さんの思いがあまったのか、チータに立ち向かうがくしゃヌーの表情は劇画調になってしまいました。このシリーズの中で唯一違和感を感じた一シーンです。