「数を覚えるために」という意図を持って、描かれた絵本なのでしょう。犬の絵の横には、大きく数字が描かれています。アリの数を表した数字です。
しかしただ単に、数字だけの絵本ではなく、そこには1つの物語が存在します。
ただ、1匹の犬がアリの巣に入っていくアリを見ているだけなのに、絵本を読む人、見る人によって、その物語は変化するのです。私はこう、物語を作って娘に読んで聞かせました。
「1」 アリさんが1匹、おうちに戻ってきました。
「2」 おうちに戻ってきた2匹のアリさんを、1匹のわんわんが見つけました。
物語は1つではありません。この絵本は、ストーリーがどんどん読み手によって変化していく無限の可能性を秘めた絵本です。