ある日、ハンサムな街ねずみだったティモシーが朝起きると
みたこともない姿に変わっています。
この絵本を最初に読んだ時、カフカの変身を思い出しました。
きっと、人は目覚めたときに別のものに変わってしまったら、
そこにたたずんでしまうか、逃げ出してしまうのだろうと思います。
事態に対する驚愕と恐怖
そして、きっと誰にも受け止めてもらえないだろうという耐えがたい孤独感を抱えて
逃げ出してしまうのだと
ところが、とてもねずみとは思えない容姿をしているのに
ティモシーを怖がらずに、声をかけてくるのねずみたち。
学生時代にカフカの変身を読んだ時、主人公が家族にすら拒絶されたことに絶望を感じました。そのことを思い出しティモシーはどうなってしまうのかと思いましたが
人を見た目で判断せずに、人を受け入れる優しさをもつ のねずみたちに、とても感動しました。
子供が成長していく過程で、公園や学校などで子供の親御さんと接する機会が増えていきます。そんな時は、やはり人を見た目で判断してしまったりしてしまいます。
見知らぬ人を受け入れられるのねずみたちみたいに、優しくなりたいものです。
そして最後には、自分自身を受け止め、自分のできることを成し遂げるティモシー
絶望的な状況から始まり、最後は心温まる終わりが待っています。
きっと読む度に解釈の変わるお話だと思いますが、
その時の自分を当てはめて、何度も読みたい絵本です。
数年後の自分がこの作品を読み、どのように感じるか楽しみです。
わたしの子供にも何度も読んであげたい絵本です