人類は誕生してからこれまで、実に長い時を経ても、未だに存在している。
この事実を、谷川俊太郎さんの簡潔明瞭な言葉と片山健さんのあの独特
な絵で描いてあります。
読むと自分自身の中からパワーが湧いてくる感じのする絵本でした。
むかしの“ぼく(人間)”は学校なんてないけれど生きていて、
おもちゃも本もなくても遊んでいたし学んでいた。
ハンバーグもなかったけれど今と同じようにうんちをして、
寂しいと泣いたし、おかしい時は笑った。
今のぼくは、むかしのぼくの同じ線上の後ろの方に出てきた存在で、
衣服も色々な物も持っているけれど、人間としての根本はむかしの
“ぼく”と変わっていないはず... と言うより、違うべきではない。
そんな谷川さんの声が聞こえてくるような話でした。
5歳の息子には、これを理解するのにはまだ難しいかったかもしれません。
でも何となく、延々と続いてきた人類のことを感じてくれればいいな
と思いました。
ちなみに息子は、「おかしいときはなにもわからずにわらった」の
むかしのぼくの笑い顔を見た途端、一緒に笑っていました。
これがこの絵本を理解する最初の一歩なのかもしれません。
一度読むと、文も絵も忘れられなくなる強烈な絵本です。
気持ちが前に進めない時とかに読むと元気をくれると思います。
一度、是非読んでみてください。