絵本から伝わる音や匂いや空気感が魅力的な作品だなと思いました。
キッコちゃんがお父さんを一生懸命追いかけていくシーン。
キッコちゃんのハーハーという息の音が聞こえてくるようでした。
途中、雪の中でキッコちゃんが転んだ音や、いちめんに降り積もった雪の匂いが伝わってくるようでした。
追いかけてきたのがお父さんではなくクマだとわかった時の、キッコちゃんの驚き、そして、お茶会に招待されたキッコちゃんの嬉しい気持ち。読んでいて私がドキドキしました。
お茶会で出されたケーキはどれも美味しそう。真剣にどれを選んで食べようか?と迷ってしまった程。
お茶会の席の、甘い匂いが届いてくるようでした。
動物たちの優しさで、新しいケーキを受け取りおばあちゃん家に出発。
この時のキッコちゃんのウキウキした気持ち、雪も溶ける程温かいものだったに違いありませんね。
モノトーンで描かれた世界には、優しくて温かい空気感が感じられ、もう一度読みたいと思わせてくれます。
子どもから大人まで幅広く楽しめる1冊です。
余談ですが。
実はキッコちゃんに兄弟・姉妹がいて、今度はふたりでもりのおくのおちゃかいに行く…というお話があったら、これもまた素敵だな〜と思いました。