アメリカでシリーズ化されている作品だそうです。
本作が初の邦訳作品ということで、読んでみました。
人付き合いがおっくうで苦手になってしまったクマ。
玄関に“おきゃく おことわり”の張り紙までペタリと貼る念の入用。
ある朝、そんなクマの家のドアをトントンと叩く音がして、・・・。
追い出しても追い出しても、クマの家に戻っている灰色の小さな体にくりっとした目のネズミ。
とにかくチャーミングです。
クマが朝食作りも忘れて、“ネズミ締め出し作戦”に必死になっているのが愉快です。
そして、ヒョイとどこからかまたネズミが顔を出すのを期待してしまいます。
根負けの末、ネズミのささやかな望みをかなえてやるクマですが、おもいもよらぬ心境の変化が・・・。
なるほど、帯に書いてあるように「読みきかせにぴったりです!」でした。
ドアを閉めたり板を打ち付けるような擬態語が、文末に字体を変えて添えられてあるのがお洒落でした。
さらに、興奮するクマの台詞や事態の大きな変化での文字の拡大化に笑わされます。
絵も可愛らしく憎めないキャラクターと地味目な色調ながら、丁寧で明るい描写のクマの家のインテリアに、落ち着いた気持ちで読めました。
二作目の邦訳も期待しています。