私が保育所に通いだしたのは五歳になる歳から。小学校に入る前に集団生活を経験させておいたほうがいいという両親の計らいで、通常よりかなり遅い保育所デビューを果たした私が、唯一嫌いだったのは「お昼寝の時間」でした。好奇心旺盛な子どもだった私にとって、眠っている時間はもったいなかったんです。そんな私を見た園長先生が連れて行ってくれたのは、本棚が横に置かれた職員室内のベッドでした。そしてその時先生が手渡してくれた本、それが「どろぼうがっこう」でした。「えっ、どろぼうにがっこうなんてあるの!?」と子供心に驚き、夢中になって読みました。その後もそのベッドに行く度に「本棚にある本はどれでも読んでいいからね」といわれるのですが、結局私が手に取るのはいつもこの本でした。その位楽しくて、ちょっと怖くて、でもなんともいえない魅力にあふれた本でした。ぜひ皆さんにも味わってほしい絵本です。