あー、なつかしい!なつかしさのあまり胸があつくなりました。まるで自分の小学生になりたての夏みたいです。(ちなみに私は女ですが。)聞こえてくる蝉の声、足音、こちらまで届いてくる暑さ!
いつも友達やお兄ちゃんと行っていた谷に一人で行く大冒険です。捕まえるのは虫の花形、クワガタのオスです。クワガタを一人で捕まえて一人前な所を見せたいのです。わかるなーその気持ち、カブトムシでも、メスでもだめなんです。
私が行った頃は、出てきた蛇に息をひそめ、ヤブ蚊に刺され、スズメバチが飛んで来たら伏せて遠くに行くのを待つ。手が届かないところに大物がいるときの気持ち。あー、本当にそんな頃も私にもあったのです。
あの林もいまでは住宅街になり分譲されています。
夕立が降ってくるのも定番でした。男の子は捕まえたくわがたを大切にシャツのなかに入れて帰ります。せっかくのクワガタ、濡れたら可哀想だもんね。
大胆な構図、美しい色使い、夏の絵本の大傑作です。
昔は多分どこでもそうであったのかもしれません、いまでは我家ではわざわざ探していかなくてはいけないのです。贅沢さとは。考えてしまいました。