年齢を問わず、弟妹が出来た子どもに読みたい絵本です。
赤ちゃんが生まれて、お母さんは赤ちゃんのことばかり。
自分はお姉ちゃんだから、一人でがんばってはみるものの、お母さんみたいに上手にはできません。
いつも「ちょっとだけできました」の「ちょっとだけ」という言葉に、グッときます。
「ちょっとだけ」できるのは、お母さんが赤ちゃんが生まれるまでは、女の子に精一杯愛情を注いで、教えてきたからで、お母さんは女の子を愛していないわけではないのです。
今まで母の愛情を一身に受けてきた女の子なのに、赤ちゃんの登場で、自分ひとりの母ではなくなってしまった寂しさが伝わってきます。
「赤ちゃんかわいい?」の問いかけに、ちょっとだけ頷く女の子の気持ちを思うと、切なくなります。
最後に、お母さんが「いっぱいだっこしたいけどいいですか?」と言って、初めてちょっとではなく力いっぱいうなずく女の子。
赤ちゃんが生まれた家庭にありがちな一場面を丁寧に描いてくれている絵本です。
二子、三子が生まれたお父さんお母さんにも是非読んでほしいです。