大好きだったじいじが死んでしまって、お葬式も終わり、部屋で一人寝ていたエリック。そこに、大切ななにかを忘れてしまったんだとじいじがやってきて、エリックは一緒にじいじの忘れ物を探します。
次の晩もその次の晩も、じいじの大切なものを探すエリック。探しながら、じいじは生きていた頃の思い出話をぽつりぽつりとエリックに聴かせてくれます。世界中のどこにでもいる祖父と孫。そんな二人の関係がとても温かく、優しく描かれています。
わが子が私の父のことをじいじと呼んでいることもあり、この絵本を読み聞かせると、とても真剣に聴いていました。エリックとじいじについて、自分と祖父に置き換えて考えていたようです。
『死ぬ』ということがよくわからない、なんだか怖いと思っている子どもに、大切な人の死というものがどういうものか、この本はふんわりと優しく教えてくれたように思います。