詩集「てつがくのライオン」の中の「夕陽のなかをはしるライオン」。好きな一遍でしたが、それが絵本になっていたなんて。
絵本用のテキストとして詩は編み直されていますが…。
ガブとメイのような、実際は食うと食われるの関係にあるライオンとシマウマが出会い友達になるというお話ですが、百獣の王たるライオンが、前半のモノローグ、後半のシマウマとの会話の中で、寂しがり屋でコミカルなキャラクターとして描きだされています。
娘が小さいな頃から好きだった「かばくん」の中谷さんの大変美しい絵が、工藤さんの詩にマッチしています。この物語にあまりマンガチックな絵をつけてしまうと、安っぽいお話になってしまいそうで、中谷さんの絵というのは嬉しい!昇ったばかりの月の方へ歩いて行くシマウマとライオンのシーンがとても好きなのですが、特にこの部分の絵が美しく目に焼きつくほどに印象的に描かれています。
読み終えて裏表紙を閉じた時、娘は「おともだちができて よかったねぇ…」と、言いました。