前から気になっていた文化人類学者の物語。長めのお話だし、登場人物も多いし、内容も複雑そうと思い、忙しい日々のなかで、なかなか手をつけられずにいた。
夏休みで、まとまった時間がとれたので、読んでみた。月並みな言い方だが、面白い。一日半で一気に読んでしまった。
女用心棒バルサと新ヨゴ皇国の皇子チャグム。バルサは王家の陰謀から故郷を離れ、育ての親ジグロと逃亡生活を送ることになる。そして短槍使いの達人ジグロの下、幼い時から修行を重ねてきた。
そんなバルサがチャグムを偶然助けたことから、守り人シリーズは始まった。
物語の中で描かれる世界は臨場感たっぷりで、お話の世界が絵になって見えてくるようだ。
バルサを取り巻く幼馴染の男性タンダ。タンダの師匠で呪術師のトロガイ。そして星読博士のシュガなどの魅力的な人物たち。
ファンタジーなのに、現実味があって、読了後は、登場人物たちから、生きていくエネルギーをもらった気がした。
すぐれたお話は、読み返す度に、その時の自分の心の有り様や状況で見えてくるものが違うと思う。
この守り人シリーズはこれからもゆっくりと、末永く愛読し、付き合っていきたいと思わせる見事な作品だった。
こんな素晴らしい感動を与えて下さった作者に感謝します!