ああ、かつての日本の子どもは、こういう美しい言葉の中で育てられていたのだ…と、改めて背筋が伸びました。
村山知義というと、ドイツ表現主義との関係でしか知らなかったので、
「日本におけるドイツ2005/2006」の会場でこの本に出会い、
娘にねだられて購入したときには、やや意外な気持ちでした。
壽子夫人とともに、子ども向けの活動も、こんなになさっていたのですね。
こぐまさんの日常生活の中の、他愛もないお話のかずかず。
そこにあふれる、お母さんのやさしさが、敬語体のことばとともに、心にストンと落ちてきます。
鮮やかで単純な色使いの絵もすてき。
声を出して読んでいると、心が落ち着いてくる不思議な本です。