満月の夜に、卵から竜の赤ちゃんが生まれました。
生まれたばかりのぼうやは竜のお母さんのあふれる愛情をいっぱいに受けて、毎日少しずつ成長していきます。
でもある日の夜遅く、赤ちゃんは雲の切れ間から地上の町の明かりを見つけて…?
竜の描写がすごいです!
お母さん竜の迫力は、まるで水墨画のよう。
まさに竜神と呼ぶべき力強さなのに、我が子を見守る眼差しはどこか優しげで――。
『家缶』や『どんぐりロケット』などで早川純子さんの絵は知っていましたが、こんなに画風の違う絵も描かれるんだなあと感心しきりでした。
人間も竜も、我が子を思う気持ちは一緒なんだとしみじみ感じさせてくれた一冊でした。