タイトルの『あめのひはかささして』も字も傘がかかっています。
こうもりが傘をさしているところは、こうもり傘とかけているんでしょうね。
最近、こうもり傘という言い方もめっきり聞かなくなりました。雨の日の絵本ですが、同じく雨の日の絵本の『ブクブクブー』とは雨の日の色合いが違います。
『ブクブクブー』は黄色が基調、こちらはブルーもしくはグレー。
井上洋介さんの作品には戦争中・前後の風景が作品の中に投影している場合も多く、この絵本の折り込み付録を読むとボロ傘をさして歩いていた井上さんの思い出が語られています。
そんな思い出がひそんでいながら、そして色調はブルーだったりグレーだったりと決して派手ではないけれど、ページに出てくる動物たちはどれもにっこりと雨の日を楽しんでいるかのように見えます。
言葉も繰り返しなので、繰り返しを好み、絵をじっくり見る年齢の2歳児さんぐらいに読んでみたいなあと思いました。