「ティラノ」シリーズの第4弾です。
マイアサウラのおかあさんが温めていたたまごからかえったのは、怖ろしいティラノサウルスでした。一度は捨てようとしたおかあさんでしたが、二度とはなしたりしないわ、とあかちゃんをだきしめます。
「産みの親より育ての親」ということでしょうか。長い間、たまごを温めている間に、理屈では説明できない愛情が、マイアサウラのおかあさんに芽生えていたのでしょう。
成長したティラノサウルスは、あるとき自分そっくりの姿をした恐竜に出会い、大きなショックを受けます。
「今」の自分と「これまで」の自分が違うということに気がついてしまったのです。そして、自分がティラノであることを受け入れたからこそ、おかあさんのところからいなくなってしまったのでしょう。
自立した、ということなのかもしれません。
そして「これから」も、自分は何ものなのかを考え続けることでしょう。