老いた百獣の王ジオジオ。でもジオジオを怖がって、どんな動物も近寄りません。そんな一人ぼっちのジオジオに話しかけたはいいろのとり。卵をなくしてしまってつまらないはいいろのとりと、一人ぼっちでつまらないジオジオの2人は協力して卵を一緒に育てます。
ジオジオのかんむりを上からのぞくページが私のお気に入り。卵からかえったひながかんむりの中で育っている様子を垣間見ることができます。やがて大きくなったひなたちが、ジオジオの鬣をつまんで遊んでいるラストのページがとても暖かい印象を受けます。
老いて、ジオジオは目があまり見えなくなっていたけれど、ことりの声を聞きながら何を考えていたのでしょうか。、自分の人生を穏やかに、感慨深く思い返していたのでしょうか。
昔はどうであれ、ジオジオはきっと今は幸せに違いありません。最後のページのジオジオの表情がなんともいえない優しい顔をしているから・・・。一見地味な印象の絵本ですが、読み終わった後、優しい気持ちになることができる1冊です。