「かばくん」と同様、岸田衿子の文と、中谷千代子の絵が、ぴったりマッチしたすてきな絵本です。年老いたジオジオの包み込むようなやさしさが、どのページからも滲み出ています。娘は、「どうして、しらががはえたの?どうして、めがよくみえないの?」と何度も聞きました。ページごとに、「まだ、ジオジオのめ、みえる?ちょっとだけみえる?」と、心配でたまらない様子。でも、ななつのひながかえり、ジオジオのまわりを元気に飛び回っている絵を見て、「ジオジオはおじいさんになって、めがあんまりよくみえないけど、とってもしあわせなんだって。」と言った娘の一言に、「生きる」ということの本当の意味を見出したような気がしました。娘は、この静かな、静かなお話が大好きです。生きることの喜びとやさしさにあふれた1冊、どうぞ手にとって読んでみて下さい。