加藤休ミさんといえば、リアルなクレヨン画で有名ですが、人の表現というとリアルなものではなく、どちらかといえばヘタウマの範疇に入るのではないでしょうか。
食べ物と人物、そのギャップが面白いともいえます。
そんな加藤休ミさんがお相撲さんの世界を描いたのが、本作です。
昨年来より大相撲はごたごたが続いていますが、それでも相撲が大好きという、いわゆる「スージョ」も台頭しているほど人気が高い。
加藤休ミさんも「スージョ」なのかわかりませんが、好きでないとなかなかここまで描けないのではないでしょうか。
主人公は「かちかちやま」という力士。
絵の感じからすれば、若手というよりもうだいぶ年をくっているけれど、強くなれない、そんな力士です。
ただ食べることだけは人一倍で、おやつにこっそり肉まん三個も食べるほど。(ちゃんこ鍋とか肉まんともなれば、加藤さんのリアルな筆の見せどころ)
でも、いくらけいこをしても強くなれない。
時には「やめようかな」なんて悩んだりしてますが、そのあとにこっそりアイスをなめたりしてるので大丈夫そうです。
毎日けいこをかかさず、本場所を迎えます。
さあ、かちかち山は勝てるでしょうか。
おすもうさんというのは、まさに肉体勝負。
加藤休ミさんの絵も、土俵上の勝負となれば、目線を変えたりしておすもうさんの動きをよくとらえています。
料理でいえばシズル感でしょうが、おすもうさんなら汗感ですかね、やっぱり。