小さな頃、お母さんを亡くした、シボーンは、父と二人暮らし。お母さんの顔を思い出せないことを悲しく思っていました。
そんなある日、公園でひとりの女の人に会います。その人は、どうしたらお母さんの顔を思い出せるか教えてくれます。
月日がたち、シボーンは女の子を授かります。ある日、鏡を見ると自分の顔が、あの女の人にそっくりだと気付きます。あの人が自分の母だったのです。
それから、父は初めて、母についていろいろ話してくれました。
物語は淡々と進みますが、それがかえって、読者にいろいろなことを考えさせてくれるのかも知れません。
一見穏やかな暮らしをしている人も、心にいろいろな苦しみた悲しみを抱えているのかもしれません。
切ないけれど、ちょっと心が温かくなり、人に優しくできるようになれそうな素敵な絵本です。
絵も物語にぴったりで、柔らかく優しいタッチと色彩です。