私の好きな辻村深月が児童文庫を出したとなれば、買わないわけにはいきません!
今は読めなくても、大きくなったら子どもと一緒に世界を共有したいと思っていたのです。
なので、これを見つけたときは、とても胸が高鳴りました。
『ロードムービー』と『雪の降る道』の2編を収録しています。
気になって、最初に著者のあとがきを読んだらデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』をお勧めしていて、1000ページ以上もある超大作、児童に勧めるには少しハードルが高いのでは・・・と思ったのですが、本編読んで、納得。
冷たい校舎のスピンオフです。
でも、このお話、単体でも充分楽しめます。
『ロードムービー』は運動神経も頭も良く、毎年学級委員を務めるトシと、いじめられっこのワタルがひょんなことから仲良くなり、それを疎ましく思う人たちからトシもいじめられるように・・・
二人の熱い友情に涙があふれそうになりました。
そしてラストのビックリな新事実。
『雪の降る道』は親友のヒロちゃんを亡くし、体調を崩して寝てばかりいたヒロと、ヒロを心配し毎日のように顔を見せるみーちゃんのこちらも心温まるお話。
そして物語のラストがそのまま『冷たい校舎の時は止まる』に続くかのように終わっているんです!
ファンとしては垂涎物です。
今は無理でも、いつか手に取ってくれる日が来るのを楽しみに待っています。
この二つのお話、どちらもいつかこんな友達ができたら良いな、と思えるものでした。