子供が幼稚園に行きだした頃のことです。
「のーんの、ののさま、ほーとけ、さま〜」
と息子が、聞きなれない歌を歌っておりました。
(うちの息子は、仏教系の幼稚園に通っております)
「ののさま?」どことなく聞き覚えのある言葉。
ああ、思い出した。「アカネちゃんとお客さんのパパ」に出てきました。
ののさま どちら
いばらのかげで
ねんねをだいて
花つんでござれ
花つんでござれ
そうか、ののさまって、仏様のことだったんだ。
いまさらながら、納得しました。
モモちゃんとアカネちゃんのシリーズは、児童書のわりに、
結構重い話が出てきます。
戦争・人の死・離婚。
すべてがありのままに、描かれています。
大人になっても、大変興味深い本です。
たとえば、この本では、「戦争反対」のお話があります。
あまり深く考えず、学校のお友達と「奴隷ごっこ」をするモモちゃん。
奴隷のお友達に、あげる物を探していて、「戦争反対」のバッジを見つけました。
胸につけて、「センソウ、ハンターイ」と威張ったりします。
でも、バッジをつけて、外へゆくと、「戦争反対」のデモ隊と、警察官が小競り合いをしているところに出くわします。
思わずモモちゃん、「おまわりさんにつかまるかも」とバッジをはずしてしまいます。
モモちゃんは、どこにでもいる、等身大の女の子なのです。
決して、どこをどうとっても、間違ったところなどない、汚れたところのない、お行儀のよい子ではありません。
(そして、ずいぶん勇ましい女の子でもあります)
でも、だからこそ、読み手は深くモモちゃんに、感情移入することができ、
たくさんの重いテーマについて、考える事が出来るのだと思います。
もちろん、楽しいお話も、この本にはいーっぱいあります。
なんと、あのプーがお父さんに!
ジャムとの間に、三匹の可愛い子猫が生まれました。
ちいさいモモちゃんをリアルタイムで読んだ方は、最後の方の二冊を読んでいない方も多いのではないでしょうか?
ぜひ、おこさんと楽しんでくださいね!