始めに、子供が0歳の時から読んでいますが、反応はまだほとんどありません。じっと聞いているだけですので。
これはシリーズものです。先に読んだ二作目が大変面白かったので、一作目の本書を読みました。二作目の構想は一作目を書いている段階あったようで、伏線が描かれていて驚きました。
主人公が立ち寄った服屋の試着室が不思議な世界につながっており、人の心の機微を察してその世界の住人を助ける話です。キャラクターのよさでひっぱる絵本も数多くありますが、このシリーズはその設定が大変面白く、素晴らしいです。
このあかいよろいのお話は、二作目に比べると背景となる話がかなり説明的であり、全体の構成の中でちょっと比重が高すぎるのではないかと感じました。でも、そんなことどうだっていいと思わせる魅力を持っている本です。
訳者のまえざわ あきえさんの翻訳がまた重要だと思います。適度な漢字配置、各キャラクターを表す言葉遣い、テンポのよさ、どれも勉強になります。字数が多いためか、平仮名と平仮名の間にスペースがなく、ぱっと見て何と書いてあるのかがわからなくなることがありますが、それは読み手の裁量に任せるということなのでしょう。
世界は広く、想像力を育む絵本に事欠きません。シリーズ全巻そろえたいところですが、2008年に日本に入ってきたばかりであまり出ていないようです。