ハイハイをするようになって絵本への興味が薄れていた娘。なんとか興味を取り戻してほしいと違ったタイプの絵本を探していた時に見つけた一冊です。
青い丸の切り絵が主人公の、抽象的なお話です。
登場人物も場面も全て切り絵で抽象的なので、ストーリーも抽象的で淡々としたものなのかと思いきや、良い方に期待を裏切られました!
まず、切り絵を侮るなかれ。とても躍動的です。
「とんだりはねたり」する場面では今にも跳ね出しそうに見えます。
そしてストーリーはとても暖かい。抽象的な絵柄なのに、初めて読んだ時に感情移入してしまいました。
最後に、日本語訳が秀逸です。
特に、きいろちゃんを探して街をさまよう場面以降の言葉選びと語感がお気にいりです。
「どこだろう ここかしら」「うれしくて もう うれしくて うれしくて」「ああ くたびれた」「ないて ないて なきました」と読んでいるだけで心地よく、ここを読みたいがために娘に押し売りしてしまったり…
押し売りの甲斐あってか(笑)、娘もこの絵本を気に入ってくれました。最近ではねんねの前に読む絵本として娘が頻繁に選びます。
抽象的な絵柄で、想像力を駆使する楽しさを知ってほしいです。