私が小学生の頃、教科書で読んだのか、絵本で読んだのか、とにかくこの本の印象は強烈でした。
なぜ、そんなに強烈な印象を受けたのか、当時はわかりませんでしたが、今、娘のためにこの本を手にして、ようやく理解できた気がします。
とにかく、絵の美しさ。そして、文章のすばらしさ。
この絵本を何度も読み聞かせることで、感性アップ、国語力アップ間違いなし!!と、ほそく笑んだ母でありあます。
臆病な豆太。昼には、『実落とせ!』と叫ぶけど、夜になると一人でトイレもできない。
擬人化された木が、『おばけー』と遅いかかってきそうな、そのリアルな恐ろしさ。
泣きながら、夢中で医者さまを呼びに走る豆太の心細い様子。そして、医者さまのねんねこばんてんの温かさと、少し強気になった豆太が、医者さまを蹴飛ばす様子・・・。
文章と絵が、本当に無駄なく『モチモチの木』の世界にいざなってくれます。
毎日子供たちに絵本を読み聞かせていて、何冊も何冊も絵本を読んでも、これほどの芸術的な、すばらしい絵本に出会えることは少ないです。
娘は今3歳ですが、この絵本の行間を読めるようになるまで、何年でも読み聞かせてあげたい、と思います。