「ベルナルさんのぼうし」 ３歳のお子さんに読んだ みんなの声

3歳5ヶ月の息子に図書館で借りて読んであげました。

とても繊細で美しい素敵な絵ですね。
大人にも喜ばれそうな絵本です。
息子の好みではないかな、と思いつつ読んでみると途中で飽きることもなく、最後までしっかり聞くことが出来ました。そして、その後も読んで欲しいとリクエストが。
そろそろ図書館に返そうと思うと、「あの帽子の絵本はまだ返しちゃダメ！」と。
やっぱり、色々な絵本を読んで上げるのが良いんだなと改めて思う事ができた絵本でした。

やわらかく優しい色使いとタッチで描くベルナルさんの不思議なぼうしの物語。

ぼうしに集まってくる鳥たちに、ベルナルさんはいつしか親しみを持つようになり、やがて鳥たちが巣立つときには、強がりながらも寂しさを思います。
冬を越え、再び鳥たちと再会すると、ぼうしは木になって鳥たちの住処となります。

鳥たちとベルナルさんのこの物語は、とても豊かで静かな時間を与えてくれます。ふだん、私たちが耳を澄まして鳥の声を聴く時間はどんなときでしょうか。
それは、ゆっくりと流れる時間に身を任せながら、静かにただ佇んでいる、そんな優しい時間だと思います。

物語から伝わってくる優しさは、その絵とともに、そうした時間のことを思い起こせてくれます。

少し早いとはわかりつつ、３歳なりたて息子にいまいさんの絵本を借りました。
毎年日本で行われるボローニヤの原画展には必ず行くので、
いまいさんの絵には以前からとても惹かれていて、
息子というよりは、どちらかというと私がこの絵本に興味があったのです。
もう、表紙にノックアウトされていました。

やはり、息子がその良さを体感するにはまだ早かったようですが、そこそこ興味を持って聞いていました。

ひとりぼっちのくまのベルナルさんの帽子に鳥が住みつき…という話。
淡々と描かれていますが、ちょっと温かくてほんわかします。
そして、何しろ、この絵タッチが本当に素敵。
この不思議ワールドによく合っています。
どちらかというと控えめな色彩も、余白があるところも、
読み手の想像の余地を残していてくれて、
頭の中で、自らの想像でのこの世界が広がっていくようです。

これは、大人に向けた絵本であるとも思います。