オードリー・ウッド/作、ドン・ウッド/絵という夫婦による1984年の作品です。
二人は、1986年に「おふろじゃおふろじゃ」でコールデコット賞オナー賞受賞作品していますが、絵の重厚さは全く同じ。
この作品は、つみあげうたの一種。
つみあげうたとは、文章に後から文をどんどんと継ぎ足していく言葉遊びのこと。
最初のページで、
「ベッドのうえには おばあちゃんがいるの。
いびきをかいているおばあちゃん。
おばあちゃんのしたには きもちのいーいベッド。
おひるねのいえでは みんなねています」
とあり、次のページから、どんどんおばあちゃんの上に寝ていくというストーリーです。
そして、ねずみの上にのみがのっかったら、今度は、のみから下で寝ている者を起こす急展開。
みんなが起きるにつれて、家の中の色調も明るくなり、外の天気も雨から晴になるという演出が絶妙です。
ごく単純な話なのですが、その絵が見るものを魅了すること、間違いありません。
得てしてこうした作品だと、絵はもっと単純な漫画っぽいものが多いのですが、ドン・ウッドにかかると、実に重厚な絵となります。
余りに精緻な絵なので、文章の対象年齢を遥かに越えているのが、逆に勿体ない気がするくらいです。