「ブキャ!」が好きな4歳息子と読みました。
最初の設定からおもしろい。
急流が流れる山の中の高い吊り橋の上。そこにブタヤマさんとキャベツ君がいるという…。
ブタヤマさんはキャベツくんをみて、すでにぺろりと舌を出している。。
もう、何かが起こること間違いなし!
…なんていうか、長さんにしかできない絵本ですね。
この絵と文章の一体感から生まれる、醸し出す独特の世界観。
その世界観に子どもも大人もスーっと引き込まれてしまうのです。
この絵本では、特に「ゴオー、ゴオー」「ザブーン」と水の音が聞こえるような気さえしてくるし、
迫ってくる危険の展開の早さにスピード感があり、
爽快感さえ生まれます。
もう、何だか直感的に楽しくなってしまう。
そして、ちょっと考えるとベタな部分もあるけれど、
想像を超えるストーリーの展開に、
私たちは何も考えず、五感で感じて、笑うしかない。。
いつものお二方(ブタヤマさんとキャベツくん)のいつもの掛け合いも、なんだか感動的(!?)だし。
流れる音が大きそうな川や、水を吐きかけてくる魚に対して、
音もしないでやってくる巨大な蛇、ムカデ、ミミズたち…。
これ…、3匹まとめてロールパンみたいに丸めてみたかったんじゃないでしょうか。。絵的にも面白いし。
やはり、ここで息子は大喜び。
長さん、子どものツボを知り尽くしている。
ここまでくると、ナンセンスももう職人技としか言えません。
同じ背景の絵の見開きが数ページ続くのに、
空がどんどん色が変わっていく感じとか、
文字の置き方や大きさも、よく考えられているのだなーと思いました。
青虫たちが飛び出してくるところのページの文字は、
他のページより大きく、スピード感もクライマックスです。
息子は楽しかったようです。
魚が増えていく場面や、各々のページのブタヤマさんのポーズに言及し、
毎回笑っていました。
ナンセンス本だけれど、常識から抜け出して五感を開放し、
自由な発想で楽しい親子時間をもつことができました。