娘といっしょに読んだ4冊目のベスコフの絵本です。今までに読んだものと比べて、絵がちょっぴり大人っぽく、娘も「わあ、きれい!」と感激しながら、表紙をそっとなでていました。
お話も、花や果物、それに妖精が大好きな娘の好みにぴったり! ベスコフのお話には、妖精や小人が、まるで当たり前のように、自然の命と共に、そこに存在していて、ふわっと物語の中に現れるのが、本当にすてきですね。「まるすぐりのおんなのこ」や「あかすぐりのおじょうさん」、「りんごふじん」に「プラムのむすめさんたち」、花の精たちも、それぞれがとっても愛らしく、うっとりと見入ってしまうほどです。
そして、もう1つの“うっとり”は・・・娘が歌ってくれる歌!!「りんごのうた」「いちごのこもりうた」「あきのうた」・・・どれも絵と同じくらい美しい詩です。
♪まもなく やわらかな ゆきが あたりいちめん ふりおりて・・・やがて しろい ふゆの おとずれ おだやかな やすらぎの とき・・・♪
と、オペラ歌手のようなソプラノで(!)本当に気持ちよさそうに歌う娘の横顔を見つめがなら、詩の世界と娘の幼い声の、何ともいえないアンバランスな感じが愛しくて、うっとり聞き入ってしまう母でした! でも、こうして、すらすらと詩を読みながら、メロディーをつけて歌えるようになったんだなあと、娘の成長がうれしくて、ほろっときてしまったりもします。
娘のお気に入りは、花の精たちが一列に並んで、にこっと微笑んでいるページ。我が家の庭でも、ちょうどナスタチウム(きんれんか)が花盛り。庭の花を眺めながら、「あの中にも、もしかしたら、黄色やオレンジのかわいらしい花の帽子をかぶった妖精たちがいるかもしれない」と思えてきます。
最後は、ベスコフらしい終わり方で、さらにストーリーを広げてくれますが、娘は、「Endが悲しかった。なんでみんな消えちゃったの?」と、子どもらしい率直な気持ちを聞かせてくれました。けれども、数分もすると、にこっとして、「Jも妖精になりたいな。」と、娘。「どんな妖精?」と尋ねると、「青いプラムの妖精! あんなプラムのイヤリングしてみたい。」と、すっかりその気になっていました。