6歳の娘と読みました。
長さも、内容も、そして字の大きさ、挿絵の頻度、
全てが年長さんの娘にちょうどいい幼年童話です。
そして、ストーリーもとっても身近な「ぬいぐるみ」が主人公。
いきなりのっけから勢いのいいライオンさんの歓喜の叫び声で始まり、
とっても心をひきつけられます。
ライオン、ぞう、きりん。それぞれの個性がとても分かりやすく、
その掛け合いも面白いです。
三匹が家出をするようになった経緯、
おうちにいる男の子がどんな子か、
どんな風に男の子と過ごしてきたかが、
3匹の会話からとってもよく伝わってきます。
とちゅうから絵本中での呼び名が、
「ジョウさん、ちりんさん、らりろん」と、
男の子が呼ぶ名前に変わります。
この絵本が持っている、三匹&男の子への愛情が感じられる変化です。
そして、家出を決行したときからの気持ちの変化。
「家出をしたくなくなりました」という直接的な表現は、
どこにもないのですが、
それぞれのとる行動、発言から、気持ちの変化がとってもよく分かり、
このあたりが絵本と幼年童話の違いだなぁと感心させられます。
ストーリーが進むにつれて3匹の変化についていった娘は、とても真剣な顔をしていました。
まだまだぬいぐるみが大事な6歳娘にとって、
身近で暖かい、そしてよりいっそうぬいぐるみを
大事にするようになった、一冊になったと思います。