おじさんは、とてもりっぱなかさをもっていました。
おじさんは、でかけるときはいつも、かさをもってでかけました。
すこしくらいのあめは、ぬれたままあるきました。
かさがぬれるからです。
幼稚園の子どもたち、ここまで読んであげたところで、『あれっ?』という顔。
どんなに雨が降っても傘を使わないおじさん。
子どもたちは、すっかりあきれていました。
そして、ある日雨やどりをしていた子どもたちの歌う
「あめがふったらポンポロロン
あめがふったらピッチャンチャン」
の声につい誘われて、その瞬間がやってきました。
お話の流れとともに、子どもたちの表情がどんどん変わっていく様子が、とても面白かった。おじさんの不思議な行動に、文句を言っていた子どもたちでした。
ちょっとすましたおじさんの表情も、なんだとっても親しみを感じました。
ところどころに、一部を強調した絵の描き方は、子どもたちをぐいと画面に釘付けしてくれました。
雨の日の楽しみに、ぜひ読んであげたい一冊です。