1991年のアメリカの作品で、邦訳は2011年。
原題は、The Salamander Room。
物語は、主人公のぼくが、サンショウウオを見つけて家に持ち帰るシーンから始まります。
それから、お母さんと飼い方についての問答が続くのですが、その度に部屋が変化していくのです。
普通、何かを飼うと言ったら、飼育用のガラスケースを使用すると思いますが、この話では、ぼくの家がそのまま飼育する場所になっています。
サンショウウオとは言え、自然界で暮らしていくには、様々な環境が必要であって、お母さんとの問答を繰り返す内に、家という存在が不要という結論となってしまうのです。
人は、自然と共存というよりは、破壊することで生活をしてきている側面があります。
サンショウウオという小さな存在ですら、これだけの環境がないと生活することが出来ないということに思いをはせると、自然との共存を真剣に考えないと我が身に振りかかる、そんな気持ちにさせられる絵本だと思います。
自然の摂理、環境問題について、自ずから考えさせられる絵本としてオススメします。