♪こまった くまった くまった こまった♪ オオカミは今日もキツネといっしょに「クマのからかいうた」を歌いながら散歩をしています。ところが、木の陰に倒れているクマを見つけ、キツネには内緒で看病をすることに・・・。
急によそよそしい態度をとったり、心ここにあらずといった感じで、そわそわと落ち着かない様子のオオカミに、キツネは「自分よりもいい友達ができたんだ」と、しょんぼり。 一方、オオカミは、「おれは、やさしいことをしないオオカミだぞ」・・・森一番の乱暴者と決まっているからには、人前で優しいそぶりなど見せられません。たとえ「ともだち」の前でも。そんなある日、キツネがオオカミの後をつけていくと・・・。
相手への真の思いやり、やさしさを、直接的な方法で表現するのではなく、あくまでも内に秘めながら、お互いの心を大事にする心配りが、「ともだちっていいな」と思わせてくれます。娘も、2人の行動や内面の動きから、いろんなことを感じとり、学んだようです。
オオカミのことを疑った自分が恥ずかしくて、「すこーし かおを あかくして」クマの岩穴からそーっと離れるキツネに、娘もちょっぴり頬を赤らめて、くくくっ。そして、こまめにクマの世話をするオオカミに対しては、「オオカミさん、やさしいんだね。でも、ともだちは?」と、キツネのことを思って、複雑な表情。そうだよね、大人でも悩んじゃうものね、人助けと友情、どちらを選ぶか? 今はまだ、楽しいことがすべてかもしれないけれど、大きくなるにしたがって、どんなことでも分かり合える友達を作ってほしいな、と願っています。