クリスマスの絵本探しをされている人は、ぜひ一度手にとってページをめくってみてください。
我が家は、ちょうどこの絵本と同じ男の子の兄弟がいるので、下の子なんかは、目をウルウルさせて聞いていました。
お兄ちゃんのペドロは、一度でいいから遠い町にある教会のクリスマスのお祈りに行ってみたいという夢をもっていました。
そして、その年のクリスマス、幼い弟を連れ、たった一枚の銀貨を持って二人は村を出発しました。
朝早くに家を出て、一生懸命歩いても、教会のある町についたのは、夕方でした。
さて、ペドロたちが目指した教会には、言い伝えがありました。
それは、イエスさまに一番いい贈り物を捧げたとき、教会の塔のてっぺんにある鐘がひとりでに鳴り出すというものでした。
その鐘の音は、口では言い表せないほどのいい音色だということでした。
でも、もう何年も教会の鐘は鳴ったことがなく、町で一番年寄りの人のお母さんが、むかし聞いたことがあるということでした。
お金持ちたちは、今年こそ、自分が鐘を鳴らすのだと、こぞって捧げものをしました。
一方、鐘のことなど知らないペドロたちは、やっと町の入り口に着きました。教会まで、あと少しです。
みると、寒い雪の中、女の人が疲れ果て倒れています。
ペドロは、このあと、どうしたでしょうか?
幼い弟は、どうなったのでしょうか?
大人の私でも、ペドロのようにできたかなと考えさせられます。
けれど、ペドロは、イエスさまからの愛を知っていたゆえ、一番大切なことを選んだのでした。
教会では、とうとう王様が宝石の散りばめられた冠を祭壇に捧げました。これ以上に高価で立派な捧げものはありません。
鐘は、鳴ったのでしょうか?
そして、その日、確かに教会の鐘は鳴り響いたのです。
いったい、誰のどんな捧げ物が置かれたときに、鐘は鳴ったと思いますか?
ぜひ、手にとって最後まで読んでみてください。
最後のページにある、小さい鐘の形の絵の中に、物語のあとの話が全て書き込まれているのが、またまた、心がほっと温かくなりました。
クリスマスは、真の愛の知らせです。
ペドロたちは、それを受け、また与えたのでした。
絵もとってもステキでした!
兄弟喧嘩ばかりのご家庭にも、お薦めです!