扉をめくると、紅葉のきれいな山の中に若いどんぐりの木が
ありました。
希望に満ち溢れた無垢の若い木が、リスから思わぬ言葉を
かけられ、傷つき心を閉ざしてしまいます。
傷つきやすい子どもの気持ちと重なりました。
別のリスがやってきて、傷ついた木を気に入って住みたいと
言い、家づくりに精を出します。
リスのおきゃくさんがやってきて、また木を傷つける言葉を
投げかけると、住んでいるリスは激怒して、木をかばいます。
『どんぐりをつけようがつけまいが、わたしはあんたが
すきなのよ』と木をまるごと好きだといってあげることで、
どんぐりは、救われ幸せな結末が待っています。この場面で、
夏空のような晴れ渡った空がすがすがしくて、気持ちよいです。
娘は、『どんぐりが可哀想。意地悪言うリスは嫌だ。』と
言っていましたが、『どんぐりの木に住みだしたリスが
来てくれてよかった。もうさみしくないね。』と
話していました。
信じてくれる仲間がいると言うことは、とても幸せなことだ
なあと思いました。娘にもこんな仲間ができたらよいなあと
願っています。
オコジョのタッチィシリーズのなつのやくそくを読んだことが
あります。タッチィはとても可愛らしく好きなのですが
どんぐりのきのリスもとても愛らしいです。亀岡亜希子さんの
他の作品もよみたくなりました。
小学校低学年から高学年向けに良いと思います。
秋に読むのにぴったりの作品なので、おはなし会で
よんでみたいです。