1955年のイギリスの作品。
あとがきによると、1913年生まれのキャサリン・ストーは、精神科の医者だったのに、書くことが好きで本業の医者を廃業したそうです。
そんな作者の書くことの楽しさが滲み出ているような作品です。
原題は、Clever polly and the Stupid Wolf
オオカミって、悪役というイメージが非常に強いのですが、この作品では憎めない間抜けという感じです。
はらぺこオオカミが、女の子ポリーを食べようとしては、失敗に終わるショートストーリーが7編収められています。
おかしいのは、間抜けなオオカミが本好きだということ。
オオカミは、赤頭巾ちゃん、三匹の子豚、ジャックと豆の木、七匹の子やぎ等のストーリーを真似してポリーを食べようとするのですが、賢いポリーに展開はお見通し。
言いようにあしらわれてしまいます。
元の昔話が分っていると、そのやり取りがとても面白く、たまらないものとなるでしょう。
それにしても、オオカミがしつこくて、本当はポリーを食べたいのではなくて、ポリーのことが好きだからではないか?と思える位です。
対象年齢は、小学校2年〜4年とありましたが、その位のお子さんが楽しめる童話作品としてオススメします。